湿り気のある場所に多く見かける落葉低木です。葉に触ると独特の匂いがします。それで「小臭木」という名前が付きました。 ツヤのある葉を互生につけます。互生(ごせい)というのは葉などのつき方の一つで、1つの節に1枚の葉をつけることを言います。左、右、左、右のように交互になることがほとんどですが、コクサギの場合は面白い特徴があり左、左、右、右というように2枚ずつ葉が出ている部分が多いのです。こういう並び方を二列互生(にれつごせい)と言いますが、コクサギ型葉序(ようじょ)とも呼びます。 コクサギ型葉序の植物としてはコクサギのほか三浦半島で時々見かけるケンポナシなどがあります。 コクサギは雌雄異株(しゆういしゅ)です。雌雄異株というのは雌花をつける株と雄花をつける株が別々の株という意味です。だから目の前にある木に雌花がついていたら、その株についている花は全部雌花ということになります。 |
![]() 雌花 |
![]() 雄花 |
雌花は花のあと実を結び種子を育てなくてはならないので数は多くありません。雄花は受粉の成功率を上げるため多くの花粉がある方が良いので数多く咲きます。 |
![]() | 実は4室に分かれますが時には3室になったり2室になったりします。 |
![]() | 熟してくると実の外側の殻が割れて中の種子が顔を出します。(1回目の裂開) |
![]() | 実の殻をよく見ると2重になっていますが、内側の殻と共に種子が飛び出します。(2回目の裂開) 2〜3メートルは飛びます。 左の画像は飛び出して下に落ちた内側の殻です。 |
![]() | 飛び出した種子は黒い直径3〜4ミリ程度の平たい円形でつやがあります。このくらい種子が大きいので生育に適した場所では次々に芽生えてきます。 |
秋になると緑で艶があった葉は「こうよう」してきます。どんな色合いか皆様お楽しみに。 |
(2013.7.4) |