森の贈り物表紙へもどる|頁作成:NOKO:2013-8|


タマアジサイ

(アジサイ科アジサイ属 以前はユキノシタ科)

最近遺伝子の研究が進んで植物も分類方法が変わりました。最新の分類は「APGU」と呼ばれます。
アジサイはアジサイ科アジサイ属に分類されるようになりましたが、以前のエングラー方式ではユキノシタ科でした。
我々のフィールドでみかける背の高いアジサイは「タマアジサイ」です。
ご家庭の庭や鎌倉のお寺などで見かけるアジサイはガクアジサイやアジサイ(ホンアジサイとも呼ばれる)ものがほとんどで梅雨時に開花します。
タマアジサイはそれより少し遅れて7月下旬から9月にかけて花を咲かせる日本固有の落葉低木で、沢沿いの肥沃な土地や斜面に生えています。
蕾が球形で丸いボールのように見えるので「タマアジサイ」という名がつけられました。

株  蕾

蕾1 この丸い蕾はよく見ると何枚もの苞葉に包まれています。
1枚の苞葉の中に1つずつ蕾の塊が入っています。
花が大きくなって開いてくると苞葉は落ちてしまいます。
蕾2 外側の苞葉から開き始めます。
次々に苞葉が開いて蕾の塊が姿を現してきます。
蕾3 全部の苞葉が開いて蕾がすっかり姿を現すと花が開いてきます。
外側にある、いかにも花に見える部分は「装飾花」です。

「装飾花 そうしょくか」とは?

花粉を運んでくれる昆虫たちを呼ぶための花です。アジサイの仲間は小さな花が集まっていますが、装飾花が縁取りをしていると全体として大輪の1つの花のように見えるので目立ちます。
昆虫にここに花があるよ! と教えるのが仕事なので装飾花は種子を作れません。種子はガクアジサイやタマアジサイの中心部にある小さな花が作ります。
アジサイはガクアジサイなどを改良して、装飾花だらけになるように作られたものです。


アジサイ アジサイとガクアジサイが並んでいました。
ガクアジサイの装飾花 ガクアジサイの装飾花に近付いてみました。外側の大きな花弁のように見えるところは萼で、内側にある濃いブルーの小さなものが花弁です。中央部には雄しべ雌しべがめだっていますが退化していて形だけのものです。
ガクアジサイの花 ガクアジサイの中央にある小さな花の集まり。
装飾花の中心部分だけが集まったような形で、ちゃんとした雄しべと雌しべがあります。
ガクアジサイの実 ガクアジサイは真ん中の小さな花にだけ小さな実になりはじめました。
(タマアジサイの花の構造はガクアジサイとほぼ同じです)

森の贈り物表紙へもどる|頁作成:NOKO:2013-8|