|森の贈り物|表紙へもどる|頁作成:NOKO:2013-7-3|
我々のフィールドである金沢区内の緑地で見かける野生のユリはヤマユリ、ウバユリです。ヤマユリは神奈川県の花になっているどなたもご存知の立派な花を咲かせる香りの高いユリです。どちらかというと明るい場所を好みます。 ウバユリは「しだの谷」で沢山見られ、どちらかというと樹林の中を好みます。 5月頃にはテラテラと光る葉を伸ばし始めています。緑の葉のもの、葉脈に赤い色が付いたものがありますがどちらもウバユリです。 |
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7月半ば、白い蕾を横向きにつけて花が咲き始めます。左の画像は「しだの谷」で見たつぼみ、右の画像は木曽駒で見たものですがこのように花数が多いタイプもあります。かつては花数が多くて背丈も高いものをオオウバユリと呼びましたが、最近ではウバユリと区別しないという説が有力になってきています。 |
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花が終わると大きなふっくらした、かわいらしい実をつけます。実が熟してくると3つに分かれた部屋に薄い種子がびっしりと重なっているのがよくわかります。実が割れてくると細い横向きの筋が目立ってきます。この隙間から風が吹き込んで軽い種子を持ち上げ、一番上からヒラヒラと種子が飛び出してきます。一度にどさっと種子が零れ落ちるよりも、ひとひらずつ飛び出す方がより遠くへ運ばれるでしょうから、そのための工夫ではないかと思います。 |
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余談ですが「ウバユリ」という名前は「姥百合」という意味で、花が咲くころにはたいがい葉が枯れているので、花の時、歯(葉)がもうないことを女児の世話をする女が娘が成人して花の十八になった頃にはもう歯が抜けた姥になるのにたとえたからだと言われています。(牧野図鑑より) 温暖化が進んだせいか金沢区では花の頃にも葉が残っている株がかなりありますが、確かに5月頃の輝くような色ではなくなってきています。 種子が地面に落ち、芽を出し少しずつ大きくなり、地下の鱗茎が太ってきます。そして6〜8年かかって花を咲かせ実をつけるとその鱗茎は死んでしまいます。何年もの月日をかけて大きな立派な花を咲かせるのがウバユリです。(ヤマユリは花をつけるようになっても成長を続け何年も咲くことができます。) |