ス ズ メ バ チ 対 策

[森沢山ML][03001] 蜂の種類と蜂対策 (2008年8月24日)
 スズメバチの類については会の発足期から毎年話題になっており、いろいろ調べている人が多いです。このMLの過去の投稿の中にも色々あると思いますが、改めて私が知っている情報源を紹介します。
  IJMさん紹介の防蜂ネットは養蜂や草刈の従事者向けの物のようです。ネットで見たかぎりでは色も白ではないようです。荒れた森林内でスズメバチのような大型の蜂から身を守るには心もとないように思います。つば広帽子につけることを前提にしているようで、ヘルメットのつばが全周しっかり張り出していないと、しっかり留められないように思います。またネットが後頭部など肌に触れるようだと、そこは毒針から無防備になってしまいます。このタイプのネットでは防護性能は低いと思った方が良いです。ただし、蜂が目の前に迫ってきても、落ち着いてその場を離脱するなど、パニックを防ぐのに有益かもしれません。
 林業従事者は ハチガードウェアなど普通の作業服の下に立体ネット状の上下を着込んで、毒針や顎が服を貫通しても肌には届かないようにしているようです。頭部防護ネットの設計もヘルメットの着用を前提に作られているようです。ただし大変高価です。ボランティア団体としては現実的ではないでしょう。
例えば、ネットで販売されている防蜂服の一例は、 「ここ」 にあります。
 蜂に関してはいろいろなウェブサイトがありますが、私がいつも参考にしているのは、都市のスズメバチ
   http://www2u.biglobe.ne.jp/~vespa/menu.htm

アナフィラキシーショックについてまとまっているなと感じているサイトは、アナフィラキシー対策フォーラム
   http://www.anaphylaxis.jp/index_flash.html
   http://www.anaphylaxis.jp/forum/allergy_bee.html

ここには医療機関リストがあり、神奈川県⇒横浜市⇒金沢区 というようにクリックしていくと専門家がいる最寄りの医療機関が分かります。「初めてのハチ刺し事故でもアナフィラキシーを起こすことがあります」ということで、二度目に刺された時から気をつければ良いという思い込みも危険です。
 もし刺された場合は巣から十分に遠ざかり、救急箱の吸引器具で局所から毒を吸い上げます。その後、抗ヒスタミン軟膏を塗布するとか、必要に応じて錠剤を服用するようにします。何年も前に錠剤と軟膏を寄付しましたが、その後、買い替えなどしているでしょうか。ぜひ調べてみてください。
  「アナフィラキシーを起こした場合は、自己注射用アドレナリン注射液を投与する必要性も生じます」ということで、森沢山の会でも「エピペン」が一時話題になっていると思います。エピペンは処方薬なので蜂に刺されて重い症状が出た人、すでにショック症状を経験している人が個人で購入することになります。保険適用外なので全額個人負担になります。エピペンの詳細はこちらです、
   http://www.epipen.jp/

 要するに、蜂に刺されないようにすることが肝心です。
蜂の巣のあるところに踏み込んでも羽音や威嚇音を聞いてすぐに蜂だと認識し速やかに退去するなどできれば刺されることは避けられます。それには蜂の羽音や威嚇音というのを既に知っていなければ話になりません。子どもの頃から虫取りでなどの際に蜂に何度も出くわしている人は、音が耳にこびり付いていますから瞬時に判断できますが、知らない人はテレビ等で特集している際に視聴して知っておく必要があるでしょう。

威嚇音はかなりはっきりしたクリック音です。爪を切っているような音です。

原稿提供者 GAKU

以下、IJMさん紹介の某県による資料を添付します

夏から秋にかけて農林作業や野外活動の際、スズメバチに突然遭遇し刺される被害が発生しております
スズメバチの習性を理解のうえ行動し、被害防止に努めるとともに、刺された場合は速やかに適切な処置を講じて下さい
スズメバチの攻撃
スズメバチ類は外敵に対して巣を守る防衛本能が発達しているため、人などが巣へ接近すると次のような「警戒」から「攻撃」に至る4段階の行動をとることが知られています
A. 偵察蜂による警戒
巣の数メートル〜10メートル以内に近寄ると、侵入者の周囲を飛び回って警戒する
この距離で大声を出した場合、巣の表面に多数の蜂が出てきて警戒体制に入る
B. 偵察蜂による威嚇(いかく)
更に近付くと、侵入者にまとわりつくように周囲を飛び回り、大顎を噛み合わせて「カチカチ」という威嚇音を発する
C. 巣への間接的刺激に対する攻撃
威嚇を無視したり、巣のある枝や土中の巣の近くを通ったりして巣を振動させると、偵察蜂が空中に噴霧したフェロモンだけでなく、興奮した働き蜂によって巣の中に散布された警報フェロモンに反応して集団で侵入者を攻撃する
D. 巣への直接的刺激・破壊に対する攻撃
巣への直接刺激や破壊により、興奮した蜂は一斉に巣を飛び出し、威嚇行動なしにいきなり刺す
興奮が激しいときには、多数のハチの攻撃に加え、噛み付いたまま何度も刺すため重症となることが多い
侵入者を執拗に追いかけ、その距離は数10メートルに達する場合もあり、最も危険な段階である
注1 オオスズメバチでは、「A」からすぐに「C」の段階へ移行することが多い働き蜂が多い(巣が大きい)場合には、巣を刺激しなくても現場から離れないと「D」の段階に達し、極めて危険な状態となる
注2 オオスズメバチは、樹液をなめているようなときでも興奮すると単独で攻撃してくる
注3 毒液が眼に入ると激痛を起こし、更に毒液の量が多いと角膜剥離による失明の危険性がある
スズメバチに遭遇した際の注意事項
A. 夏から秋にかけて農林作業や野外活動を行う際は、スズメバチに突然遭遇する危険性のあることを念頭に置く
緊急事態に備えて、市販殺虫スプレーや抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏を携帯するとよい
B. 軒先など日常活動の範囲にスズメバチの巣があるような場合には、巣の近くで大声を出したり、強い振動を与えたりしないように注意する
市町村役場等に相談し、巣を除去する
C. スズメバチは「黒色」を攻撃する性質があるので、白っぽい服装の方が安全度は高い
ヒラヒラするもの、純毛製のもの、香水やヘアスプレー、虫避けの超音波発信機などは、蜂を刺激する原因となる
D. 野外活動中に偵察蜂に遭遇した場合は、頭(黒色)を隠し姿勢を低くして、ゆっくりその場を離れる
E. 蜂の攻撃を受けた場合、手やタオルなどで払うのは危険である
蜂は前後の動きには鈍感であるが、左右や急激な動きには敏感である
スズメバチ刺傷後の対応
毒液による痛み、腫れ、患部の炎症、痒み、体温の上昇等が、刺傷後10〜15分後に発現しますが、次により対応して下さい
A. 患部からの毒液除去
身体に回る毒成分の量を減らすため、できるだけ速やかに毒液を口或いは市販の器具を用いて吸い出す
B. 毒成分の不活性化
20%タンニン酸軟膏、3%タンニン酸アルコール、渋柿の汁などを、刺された直後に患部に塗り、後に水洗いする (アンモニアの使用は無意味)
C. 治療
患部の腫れや痛みには冷湿布をし、抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏を塗る
重症の場合は、患部を冷やして、迅速に医療機関で手当を受ける
D. アレルギー性症状
人によりアレルギー反応の程度は異なりますが、身体各所或いは全身のジンマシン、だるさ、息苦しさなどの症状がある時は、次回の刺傷に充分な注意が必要です

|ブラウザの閉じるボタン『X』で、画面を閉じてください|2014-10-24 更新